映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』感想・考察| 光があれば、影もある

伝記映画

※この記事では、映画「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」の ネタバレを含みます。これから鑑賞予定の方はご注意ください。

はじめに|どんな映画?

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』は、アメリカを代表するシンガーソングライター、ブルース・スプリングスティーンの伝記映画です。
彼の6作目となるアルバム『ネブラスカ』がどのように生まれたのかを描いています。ライブシーンはほとんどありません。スポットライトにあたる姿ではなく、その裏にある「影」を描いているため、重く、暗い雰囲気が漂っています。しかし、孤独の中で苦しくても、明けない夜はなく、最後には希望や光を感じられるそんな作品でした。

スプリングスティーン 孤独のハイウェイについて

あらすじ

1981年、32歳のブルース・スプリングスティーンはスーパースターとして注目され、次回作への期待が高まっていました。ライブ活動の後、彼は幼少期を過ごしたニュージャージー州へ拠点を移し、寝室でひとり音楽作りを始めます。その孤独な創作の日々は、後に名盤『ネブラスカ』の誕生へとつながっていきます。

作品詳細

日本公開日:2025年11月14日
上映時間:120分
監督:スコット・クーパー
キャスト:
ジェレミー・アレン・ホワイト/ジェレミー・ストロング/ポール・ウォルター・ハウザー/スティーヴン・グレアム/オデッサ・ヤング/ギャビー・ホフマン/マーク・マロン/デヴィッド・クラムホルツ ほか

ブルース・スプリングスティーンとは?

  • ロック界の重鎮、愛称は「The Boss」
  • 1949年9月23日生まれ(2025年11月時点で76歳)
  • アメリカ・ニュージャージー州出身

6枚目のアルバム『ネブラスカ』は異色の名盤

  • 自宅の寝室で4トラックのテープレコーダーに録音
  • 商業的成功よりも、自身の内面をそのまま作品に落とし込んだアルバム
  • 全米チャート3位を獲得している

考察|ブルースが背負い続けた「影」

① 父親との関係が残したトラウマ

ブルースと父親の関係は、決して穏やかなものではありませんでした。
父親は酒場に入り浸り、酔ったときには感情の起伏が激しく、夫婦喧嘩も絶えません。
ただ、子供に対して無関心だったわけでもなく、ときどき映画に連れていく場面もありました。そこから「愛情がない」のではなく、「どう接すればいいか分からない」というそんな不器用さを感じました。ブルースはその影響を受け、 人と関わりたいのに深く踏み込むことが怖いというそんな感覚を抱えたまま大人になってしまったように見えました。

② 恋人フェイとの破局は、トラウマが原因?

フェイとは穏やかで幸せな日々を過ごしていたブルース。しかし、創作活動に没頭するほど、ふたりの距離は少しずつ開いていきます。別れを選んだのはブルースのほうでした。
創作活動の影響もあると思いますが、仕事や気持ちが離れたからではなく、これ以上深く関係を進めることへの恐れがあったように感じました。父親から受け継いだ不器用さが、影響しているように感じました。彼自身もその理由を薄々感じながらも、どう乗り越えればいいのか分からない。そんな切なさが印象に残るシーンでした。

感想|辛くて苦しくても、明けない夜はない

映画全体に漂う重くて暗い空気は、ブルース自身が抱える複雑な心情とリンクしているのだと感じました。彼は過去の痛みと向き合いながらも、歩みを止めずに創作を続けます。
辞めることは簡単でも、続けることはとても難しい。それでも彼は前に進み続け、アルバムを完成させました。そんな姿を見ていて感じたのは、「明けない夜はない」ということ。
スーパースターとして輝く姿の裏側には、私たちと同じように悩みや苦しみを抱えたひとりの人間なのだと思います。今がどんな状態でも、いつかは明けて、そんなこともあったなんて思い返せるようになるのだと感じさせてくれる、深くて優しい余韻の残る映画でした。

こんな方におすすめ

  • 静かで深い人間ドラマが好きな方
  • ブルース・スプリングスティーンの音楽が好きな方
  • 創作の裏側に興味がある方

まとめ

ブルース・スプリングスティーンの創作の裏側には、苦しい闘いがありました。
その一片をのぞかせてくれる作品です。
気になった方は、ぜひご覧になってみてください!

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