映画『ひゃくえむ』感想|人生の意味を学ぶ

映画レビュー

※この記事では、映画「ひゃくえむ」のネタバレを含みます。

はじめに|どんな映画?

  • 「ひゃくえむ」は漫画「チ。-地球の運動について-」の作者である魚豊氏の連載デビュー作です。
  • 100m走を題材としていますが単なるスポーツ映画ではなく、人生の葛藤や成長を描いた作品です。
  • 人生について考え直したい人や向き合いたい方におすすめです。

あらすじ

生まれつき足が速く全てを手に入れてきたトガシと、現実逃避のためにただ走っていた転校生の小宮。ある日トガシが小宮に走り方を教えることとなり、そこから2人はライバルであり親友となる。次第にトガシは、勝ち続けることへの重圧に苦しみ、小宮は記録を追求し続ける。それぞれに孤独と葛藤を抱えながらも100mを走り続けた先にある自分にとっての「なぜ走るのか」というその意味を見出していく。

スタッフ/キャスト

スタッフ

監督:岩井澤健治
原作:魚豊
脚本:むとうやすゆき

キャスト

トガシ:松坂桃李
小宮:染谷将太
仁神:笠間淳
財津:内山昂輝
海棠:津田健次郎

主題歌:Official髭男dism「らしさ」

見どころ

ロトスコープによるリアルな映像

アニメーション制作には、実写映像をトレースする“ロトスコープ技法”が採用されています。走るフォームや筋肉の動きなどすべてが驚くほどリアルです。まるで実際に陸上競技を観戦しにいっているような臨場感を味わえました。

声の出演は豪華俳優陣

松坂桃李さんや染谷将太さんが声の出演をされています。
個人的にドラマなどで活躍する俳優さんの声だと違和感があって、正直苦手でした。
しかし、今回のお二人の演技はキャラクターの性格や感情が声で表現されていて、とても引き込まれました。特に小宮はどことなく見た目が染谷さんに似ていたので、よりなじんでいて違和感なく観ることができました。

ラストシーンからのエンドロールで聴く「らしさ」が最高!

主題歌は「らしさ」で、Official髭男dismが担当しています。ラストシーンでトガシと小宮が走っていて、疾走感をそのままにイントロがかかってエンドロールへと移る流れが最高に気持ちよかったです。また作品の内容と歌詞が重なり、より余韻に浸ることができました。

感想と考察

考察|勝敗よりも大切なこと

映画終盤の決勝レースでは、トガシと小宮が最後まで競り合いますが、勝敗は明確に描かれていません。作中には多くのレースシーンがありますが、タイムや順位といった結果を示すはっきりとした描写はありませんでした。「勝ったか負けたか」という結果よりも「なぜ走るのか」「競技にどう向き合うのか」といった根源的なテーマに焦点があてられているのだろうと思いました。

感想|自分の“なぜ”を見つめ直す

登場人物たちは「なぜ走るのか」という問いにそれぞれ苦悩しながらも、真剣に向き合い続けます。その真剣な姿を見て、私自身における「なぜ」を考えるきっかけになりました。なぜ今の私はその仕事を選び、続けているのか。なぜこの道を選んだのか。その根幹の”なぜ”を問われたときに「なんとなく」という曖昧な言葉しか出てきませんでした。

物事を始める”きっかけ”は「なんとなく」でも良いのかもしれません。でも「続けていく」ためには、明確な”なぜ”が必要でその明確な”なぜ”が、人生の目的や生きる理由になっていくのかもしれないと思いました。

おわりに

今回は映画「ひゃくえむ」を鑑賞した感想でした。
気になった方は、ぜひご覧になってみてください!

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